昨年の11月中旬
豊島区制施行90周年記念事業の 東京芸術祭2022プログラム
第35回 としま能の会に 初めて行きました

場所は 池袋の 豊島区立芸術文化劇場・Brillia HALL です
この日は 夕方から曇り 時折雨がパラついてきた空模様で
陽が落ちた街は 木々を飾る灯りで 綺麗でした

立て替えられる前 2016年に閉館した 豊島公会堂へは
行った事があるのですが
2019年11月に開館したホールへ入るのは 初めてでした
赤い階段横のエスカレーターで 上がると

ホール入口の床には ライトで模様が描かれています

ホールの窓から外を覗くと こちらも幻想的な雰囲気です

ホール内部の様子

3階までの 客席

公演後に 写したものですが

舞台には 能舞台がありました
そう ここは ホールで 舞台はありますが
特別な 能舞台が ある訳ではありません
能舞台について説明もして頂き 改めて理解できました
橋懸り・はしがかり の先には 五色の揚幕・あげまく
橋懸りの手前には 三本の松:一ノ松・二ノ松・三ノ松
背景である 鏡板・かがみいた に 老松・おいまつ が描かれています

屋根 と 笛柱・ふえばしら に 道成寺・どうじょうじ の鐘を
吊るための 鐶・かん が 取り付けられています



和泉流 狂言「樋の酒・ひのさけ」
日本大百科全書・ジャポニカ から 抜粋省略
・主人は、太郎冠者(シテ)に米蔵を、次郎冠者には酒蔵を預け、
持ち場を離れず留守番をするように命じて出かける。
太郎冠者が窓から覗くと 次郎冠者が盗み酒をしている。
太郎冠者は米蔵を空ける訳にいかず、竹の樋・とい を
窓越しに渡して 酒蔵から米蔵へ酒をつぐが、樋の酒は
面倒と酒蔵へ合流。
酒宴最高潮に主人が帰宅し、2人をみつけて追い込む。

・観世流 能 「道成寺・赤頭」
ウイキペディアから 抜粋省略
・安珍・清姫伝説の後日譚に従い、白拍子が紀州道成寺の
鐘供養の場に訪れる。
女人禁制の供養の場であったが、白拍子は歌と舞いをするが
隙をみて梵鐘の中に飛び込む。
すると鐘は音を立てて落ち、祈祷によって持ち上がった鐘の
中から現れたのは 白拍子が蛇体に変化した姿であった。
蛇は男に捨てられた怒りに火を吹き暴れるが、僧侶の必死の
祈りに堪えず川に飛び込んで消える。

道成寺の真剣な舞台に 見入ってしまう場面が
幾つもありました
一つ目は、
・シテ・主役と 小鼓で 演じられる場面
二人の 間を合わせた時間が長く続き 真剣勝負の様相でした

二つ目は
・重いか鐘が落ちて来る前に シテが飛び込む場面
時間が少しでもズレたら 怪我をしかねません
・通常は 後見が手伝うのですが 鐘の中で
シテは 面・装束の付け替えを 一人で行います
狭い空間で 面がズレていたり 取れたり
装束が曲がったりしない様に 着付けなければなりません

見せ場が多い事も 道成寺が 人気のある演目なのでしょうか
この日1日の公演なのに
出演された 豪華な方々です

公演を手掛けた方々の 熱き想いと
狂言の 楽しくも可笑しみ
そして 能の迫力ある演技に 圧倒されました
初めて 狂言・能をみる 初心者でも
観世喜正さんの解説や パンフレットで 分かり易く
感動と親しみが湧く公演でした