12月中旬 東京・千代田区にある 国立劇場の伝統芸能情報館で
文楽の人形遣い 桐竹勘十郎さんの レクチャーがありました

文楽は 太夫・三味線・人形 が 一体となった伝統芸能です
文楽人形は 人形劇の世界で他には無い 三人遣い です

三人遣いは 一つの人形を三人で 扱います
主遣い・おもづかい は
左手で 首・かしら と 人形全体をささえ
右手で 人形の右手 を操作します

左遣い・ひだりづかい は
右手で 人形の左手 を動かし

足遣い・あしづかい は
両手で 人形の両足 膝 腿 を 人形の動きに合わせるのですが
無理な体制になります


「 主遣い 」 は 演目や人形などにより 歯が高い 舞台下駄で
人形の高さや 三人が人形から離れず 動きやすい様にします


人形の後ろ姿は 演目でも 見る事が少ない場面だそうですが
実演して下さいました


三人遣いになる前には 一人で遣う人形がありました
今でも その他大勢・侍や町人などでは 一人で遣う人形もありますが
日本各地で 人形浄瑠璃として 受け継がれています
どういう作り方か どう操作したか など 書いたものが殆ど無く
これは 勘十郎さんが 復元した人形


人形の 首・かしら は
男役は 幾つもの種類があり
髪の毛は 動物のヤクの毛を使い


女役は 若い未婚女性 老女形・ふけおやま 遊女 や
子供など 種類が少なく
髪の毛は 艶のある人のものを 使っているそうです
綺麗な女性ですが

紐を引くと 怖いお顔に
カブと言う 「 からくり 」 です


人形は 上演する前に 人形遣い自身が人形を拵えます
その前の 胴 足 手

右は 男性の胴と手足 で 左の一回り小さい胴は女性

女性の胴に 着物を 着付けていきます
女性らしい柔らかい線を出す為に 肩につけているのは
糸瓜・へちま

襟・えり を付けて
襟は 木綿糸4本で 布団針で 縫いつけるそうです

着物の後ろ 背中には 人形遣いが手を入れる所・背穴があります
豪華な着物ですね

この作業は 公演前に 人形遣い・主遣い が 一つ一つの人形に
着せて作るそうです
大きな人形の場合は 一つに3時間以上も かかるそうですが
公演が終わると 元の状態に戻し 保管されます
今まで 何度か 勘十郎さんのレクチャーを受けていますが
この日は 前から2列目の中央 と 数メートルの位置で見る事ができ
本当に 解り易い解説と実演で 文楽の事を知ることができました
今回の文楽講演会は 京都文化企画室が主催した 東京研修会です
京都文化企画室は 認定特定非営利活動法人で
京文化の活性と 次世代継承を目的に活動しています

京文化を 日本だけではなく 全世界の人に知ってもらう為
京の和文化の体験 着付け 茶道 日本舞踏など
邦楽邦舞鑑賞会 や 京の和文化セミナーの開催など
京の和文化に関する情報発信をしています
東京研修会は 今年で3回目だそうです
京都までは行くのは なかなか難しいので 東京での研修会
来年も 伺えればと思います